【現場から見える管理のリアル】クレーム対応の裏側〜騒音・漏水トラブル編〜

飲む日焼け止め【WHITE VEIL〜ホワイトヴェール〜】

皆様こんにちは。KTリーダーです。

今回は、管理会社の業務の中でも、特に神経を使う「クレーム対応業務」についてお話しします。私が日々現場で直面する中でも、特に多いのが騒音と漏水のご相談です。

■ 騒音トラブルは「感じ方」と「方向」がカギ

騒音のご相談は非常にデリケートです。たとえば「上階の足音がうるさい」「楽器の音が夜まで聞こえる」といったご連絡をいただくことがあります。

ただ、ここで難しいのは、「音の感じ方」には個人差があることです。

また、音の伝わり方にも誤解が生まれやすく、実際には上階ではなく左右や斜め方向の住戸からの音であることも少なくありません。

私は、まずは冷静に状況を聞き取り、対象のお部屋には直接ではなく文書での注意喚起を行うようにしています。直接注意するとトラブルが深刻化する恐れがあるため、間に入るのが管理会社の役割です。

■ 漏水トラブルは「スピード」と「損害補償」

もう一つ多いのが漏水トラブルです。これは放っておくと建物に深刻な被害を与えるため、スピードが命です。

「天井から水が垂れてきた」「浴室から水が階下に漏れた」など、現場に急行して状況確認・原因調査・応急処置を行います。

給排水管の劣化が原因だったり、場合によっては居住者の使い方が影響していることもあります。

漏水は内装の復旧工事や家具・家電の水濡れ被害につながることがあり、賠償額が数十万円〜百万円単位に及ぶこともあります。

特に、漏水を発生させてしまった住戸の責任で他住戸に損害が出た場合、加害者となり損害賠償責任が発生する可能性があります。

このようなリスクに備えて、「個人賠償責任保険」や「水濡れ損害保険」に加入しておくことが重要です。これらの保険によって、賠償費用や修繕費をカバーできるケースが多くあります。

■ 漏水時の基本的な対応フロー

漏水が発生した際には、以下のような流れで対応しています。

  1. 連絡受付・初動確認
     → 被害の発生連絡を受けたら、まず現場状況を電話で確認し、至急現場に向かいます。水が漏れ続けている場合は、被害拡大を防ぐため元栓の閉栓依頼を最優先で行います。
  2. 現地調査と応急処置
     → 漏水箇所や被害状況を確認し、必要に応じて設備業者を手配し仮復旧や止水作業を実施します。
  3. 原因調査の実施
     → 配管の破損、設備の劣化、居住者の使い方など、原因を専門業者と連携して調査します。原因が明確になることが、責任の判断や保険の適用に重要です。
  4. 関係者への説明・ヒアリング
     → 発生源と被害状況を整理し、関係する住戸に丁寧に説明します。特に、加害者・被害者となる住戸同士の調整が必要になる場合、私たち管理会社が中立の立場で調整に入ります。
  5. 修繕工事と復旧対応
     → 原因箇所の修繕後、内装復旧などを行います。施工内容や費用負担は、原因の所在や保険の内容によって異なるため、個別に調整していきます。
  6. 保険対応の案内
     → 火災保険の水濡れ補償や、個人賠償責任保険が使えるかどうかを案内し、保険会社とやり取りをサポートします。
  7. 経過報告・完了確認
     → すべての作業が完了した後、再発防止策や注意事項なども含めて関係者に報告します。

漏水は、「誰が悪いのか」を追及するよりも、被害を最小限に抑え、速やかに復旧することが何より大切です。そのためにも、管理会社として私は冷静な初動と丁寧な説明を心がけています。

■ まとめ

騒音も漏水も、「誰にでも起こりうるトラブル」です。私たち管理会社は、そうした時に冷静に対応し、住民の皆さまが安心して暮らせる環境を守るために動いています。

今後も現場のリアルな話を交えながら、管理業務についてお伝えしていきます。どうぞお楽しみに。

コメント

タイトルとURLをコピーしました